根岸造園設計事務所

タイトル

「BED AND CRAFT 『TAЁ』」

施工内容
bed and craft 『TAЁ』の裏庭改修工事

環境

この宿の西側には立派な裏庭空間があったのだ。しかしながらこれまで植物が生い茂るだけの状態で、ウッドデッキもありながら利用されることは無い様子だった。庭の周りは苔生した石垣で囲まれ、ツバキの生垣(自然樹形)もあり落ち着いた印象で居心地も悪くない。鳥や昆虫はもちろん、サワガニやタヌキなどの小動物もやってくるのには驚いた。土壌は全体的にじめっとしているが腐植のある黒土で、日が入る時間帯も多く、大半の植物にとって生育に問題は無さそうだ。
整地作業から始めるとそこには金屋石のピンコロが沢山姿を現す。

リクエスト

部屋からの眺めを意識するのはもちろんだが、庭がこの宿のもう一つのリビングルームとなるような空間をつくってほしい。

デザインコンセプト

この宿には和室があり、以前そこでお茶会が開かれ参加させていただいたことがあった。その中で次回はここの庭でできないかという話になり、「野点のできる空間づくり」を今回のテーマに掲げた。庭の中央へ続くアプローチテラスと、2畳分のウッドデッキ(これは野点をするための最低限の広さ)を設けることになった。

植栽コンセプト

野点計画以前に、部屋からの低いレベルからの眺めを考慮したときに枝垂桜を植えるのはどうだろうかと考えていたが、お花見とお茶会はピッタリだなということでこれを採用。そして既存のモミジやツツジなどを生かすこと、また桜を引き立たせることを意識し、それ以上の植栽は極力控えることにした。